前回、銀行を選べ、銀行を選ぶと手数料が安くなる、という記事を書きました。
今回は、個人事業主が事業用の口座を開くべき理由について述べていきます。
事業用口座で管理を容易に
事業を行う際に気にすべきことは『月にいくらお金が入り、月にいくらお金が出るのか』です。一般に資金繰りと言われるものです。
個人の家計支出と事業の支出を1つの銀行口座で管理すると、預金額に増減が生じた場合に、家計に問題があるのか事業に問題があるのかが分からなくなります。
このため、個人と事業と口座を分離することで、管理を容易にすることができます。

万一、税務調査が入った時も、分けてれば問題ナシ。
分けてないと、この支出は何?この収入は何?家計の収支も1つずつ聞かれるで。
確定申告の帳簿付けが楽(青色申告65万円控除を使う場合)
青色申告65万円控除を利用する人は、複式簿記を使って事業の財政状況を明らかにする必要があります。
銀行口座の収支、及び残高を合わせる必要があるので、個人と事業を同じ通帳で管理していると、個人の収支も複式簿記で記入しなければなりません。例えば以下のように…
借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 | 摘要 |
---|---|---|---|---|
事業主貸 | 3,000 | 普通預金 | 3,000 | 生命保険 |
事業に関係のない生命保険の支出を書く必要があります。この仕訳が無いと、口座の残高が一致しません。また、一例で仕分けを書きましたが、実際は更に沢山の仕分けを書かなければなりません。
個人と事業を分けていれば、不要な仕分けを書かずに済みます。

面倒なことは全力で回避!
事業収入を拡大することだけ考えよ!
屋号付きの口座開設が可能
事業用口座を解説するとき、屋号名を付記することができます。
口座名義(漢字) | 口座名義(カナ) | ||
---|---|---|---|
○ | 屋号+氏名 | フラワーショップ・MATSUDA 松田 翔 | フラワーショップ・マツダ マツダショウ |
○ | 氏名+屋号 | 松田 翔 フラワーショップ・MATSUDA | マツダショウ フラワーショップ・マツダ |
○ | 氏名のみ | 松田 翔 | マツダショウ |
振込先の口座名に屋号があると、実際に事業を行っていることをアピールすることになり、取引先によいイメージ、安心感を提供できます。

自分としても、"ビジネスを始めた"感を持てて…何かイイよね。
事業用と個人用、口座は分けよう!
2つも口座を持っていることが面倒くさい、といった理由で事業用と個人用の収支管理を1つの口座で完了する事業主もいます。
ただ、事業の状況、家計の状況を正しく把握するためには、それぞれを分けて管理する必要があります。
開業届さえ出していれば事業用口座を開設することができます。まだ開設していない人は、すぐに開設して、適切な資産管理を行いましょう。
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